
自分の意思とは関係なく、勝手に出てきて下着を汚してしまう“おりもの”。
洗濯するときも手洗いをしなければならなかったり、ほかの洗濯物と分けて洗わなければならなかったり、本当に手間がかかりますし、何より気持ちが悪いですよね。
今回は、おりものの量が多いことで悩んでいる人に向けて、
- おりものとは一体何なのか?
- 生理周期や年齢によっておりものの量はどう変化するのか?
- おりものを減らすためには何を気をつけたらいいのか?
についてお話しします。
そもそも“おりもの”って何?
生理以外に膣から出てくるものが“おりもの”と呼ばれるものですが、おりものの正体は一体何なのか知っていますか?
おりものとは、子宮や膣、膣口の近くにある分泌腺から出る粘膜や分泌液を指します。
このような粘膜や分泌液を出すことで、膣や子宮に雑菌が入るのを防ぐことができるんですね。
わたしたち女性の性器のまわりは、ジャングルのような湿地帯。
高温多湿な上に、尿道や肛門がすぐそばにあるので、さまざまな雑菌が繁殖しやすい環境になっています。
トイレをした後にトイレットペーパーを前から後ろに向かって拭くようにするのも、雑菌が膣に入るのを予防するため。
もし雑菌が膣に入ってしまうと、カンジダ膣炎などに感染してかゆみの症状に悩まされることになります。
そんな環境の中で膣を酸性に保って雑菌を防いでくれるのが、“おりもの”というわけなんです。
また、おりものは古くなった細胞や老廃物を体の外に排出してくれるという役割もあります。
おりものの量が多くなる排卵期には、分泌や粘度も変化して精子が子宮に入りやすくなるようにしてくれる働きも。
おりものには、老廃物を排出して雑菌を予防し、精子を導いてくれる、という役目があるんですね。
おりものの量は生理のリズムで変化する
排卵期にはおりものの量が多くなるという話をしましたが、それは一番妊娠しやすい時期だということを表しています。
射精された精子が卵子目指して泳いでいくときに、おりものは潤滑剤のような働きをして精子が子宮に入りやすくなるように手助けをします。
おりものの量がもっとも多くなるのは、生理が終わって1週間ほどたった頃から排卵前後まで。
エストロゲンの影響でおりものが多く分泌されるんですね。
とくに排卵日の3日前くらいからは受精に備えて卵の白身のような粘り気のあるおりものが出るようになります。
この時期、おりものを親指と人差し指でつまんでそっと離すと、糸が引くように長く伸びるので、排卵がまもなく起こるということが分かります。
わたしも、おりものの状態で排卵日の目安をチェックして2人目を妊娠したので、おりものは妊娠を希望する女性にとっては排卵日を知るバロメーターにもなるんですよ。
一方、排卵日が過ぎるとプロゲステロンの分泌が高まって、おりものの量は少なくなります。
とくに排卵後1週間くらいから生理直後までは、おりものの量はほとんど気にならないぐらいで、状態もさらさらしています。
おりものの量が多いのは、女性ホルモンの分泌が盛んな証拠とも言えるのでとくに心配はありませんが、生理が終わった直後でもおりものが多い場合は、生活習慣そのものを見直す必要があるかもしれません。
肉類や乳製品、甘いものを食べすぎたり、ストレスや睡眠不足などで体調が悪かったりすると、おりものの量が増えてにおいもきつくなるので、このあたりの生活習慣を改善していければいいですね。
おりものの量を減らしたい!気をつけるべき3つのポイント
「おりものの量が多い・・・」
こんな悩みを抱えている人が気をつけるべきポイントを3つお伝えします。
Point! 雑菌の繁殖をおさえるため、通気性の良い自然素材の下着を身につける
通気性の良くない下着は蒸れて雑菌が増えてしまうので、おりものの量が多い人は綿などの通気性の良い下着を身につけるようにしましょう。
ストッキングやタイツなどでも蒸れやすくなるので、要注意。
Point! 血糖値が上がると雑菌が増えやすくなるので甘いものは控える
雑菌は糖分を栄養源として繁殖するので、甘いものは控えるようにしましょう。
抗生物質をはじめとする薬の服用でも、体の抵抗力が下がっておりものが増える原因になるので、市販薬のむやみな服用は控えるようにしたほうがいいですね。
Point! 股間はボディソープなどでごしごし洗わず、シャワーで優しく洗う
膣の中には体に必要な常在菌がたくさんいます。
ボディソープなどの泡でごしごし洗ってしまうと、膣を守っている常在菌まで洗い流してしまうことになるので、これ以上おりものの量を増やさないようにするためには洗いすぎに注意しまし
ストレスがたまっていたり、睡眠不足や疲労などで免疫力が低下しているときもおりものの量が増えてしまうので、普段から心と体をいたわるような生活習慣を身につけることが大事だということですね。ょう。