
「今日ね、友達にたたかれたんだ・・・」
小学校から帰ってきたばかりの長男が、「ただいま」を言うよりも先にこんなことを言い出しました。
突拍子もない突然の言葉に、わたしは少々パニックになりましたが、ここはひとつ冷静に話を聞いてあげるのが肝心。
結局のところ、たたかれたと言っても大したことではなかったので、そのままうやむやになってしまったのですが、こういう場合、親はどう接していったらいいのでしょうか?
子どものケンカに親がしゃしゃり出るのもなんだかなーということもあり、なかなかデリケートな問題で難しいですよね。
そこで今回は、子どもが
- 友達をたたいた
- 友達にたたかれた
という場合に親はどう対応していけばいいのかについて、その対処法をまとめてみたいと思います。
小学校低学年の場合には“よくあること”
子どもが「友達にたたかれた」と言ってきたら、動揺してしまうのは親として当然のこと。
ですが、小学校低学年の場合には、友達と何らかのトラブルがあってもうまく言葉で表現することができず、言葉の代わりに手が出てしまうのはよくあることです。
それに、実際には友達からちょっと嫌なことを言われただけなのに、親に甘えたくて「たたかれた」と大げさに表現してしまうこともあるそう。
こんな感じで、小学校低学年の場合は事実と想像を混同していたり、それほど深刻ではないケースも多いようです。
このことをまずはよく理解して、“よくあること”だと冷静になるのが大事です。
原因究明ではなく、まずは“共感”が大切
「たたかれた」と聞くと、親はどうしてもその原因を究明したくなって、
- 誰にたたかれたのか?
- どこをたたかれたのか?
- どうしてたたかれたのか?
・・・etcを子どもに根掘り葉掘り聞きまくってしまいがちです。
もちろん、原因を究明することも場合によっては必要だと思いますが、その前にもっと大事なことは子どもの気持ちに共感すること。
「たたかれた」という場所をなでなでしながら、「そうか、それは痛かったね~」と受け止めてあげることが大切なんだそう。
こうすることで、大体8~9割の子どもは気持ちが落ち着くということなんですね。
それでもまだ気持ちが収まらないような場合は、ここで初めて親が出る番。
と言っても、もちろん子どもをたたいた相手の親に直接コンタクトをとるのではありません。
まずは担任の先生に相談をするのが得策です。
「うちの子はこう言っているのですが、先生は何かご存じないですか?」
と伝えて、家庭と学校の両方で問題を共有しておくと安心ですね。
子どもに“共感”をしてあげないとどうなる?
子どもの気持ちに寄り添ってあげることが大事だと分かってはいても、ついやってしまうのが「〇〇くんも嫌なことがあったんじゃない?」などと言ってしまうこと。
これでは子どもよりも相手の立場に立ってしまっていることになるので、子どもは親が味方してくれないと感じてしまい、学校での出来事を一切話してくれなくなってしまうんだそうです。
友達との間で起こった嫌な出来事は、どんな些細なことでも親に話してほしいもの。
それにはやっぱり普段から子どもに共感してあげて、信頼関係をしっかりと築いておくことが大事なんですね。
たとえ共感できないような内容の話でも、まずは「そうなんだね」と受け止めてあげてから、「でもね」と続けるといいようです。
「たたかれた」事実を相手の親に伝えたい場合は?
子どもからの言葉を受けて感情的になってしまい、いきなり相手の親に連絡してしまうという例もありますが、これはやっぱりNG。
もしかしたら、たたかれた子どものほうに何か原因があったのかもしれませんし、子どもからの一方的な話だけでは事実がハッキリしません。
なので、相手の親にも「たたかれた」という出来事を伝えたい場合は、まずは担任の先生に間に入ってもらって、とりあえず様子を見ることにします。
その際、先生には「~してほしい」というような要求をするのではなく、事実のみを伝えるようにしましょう。
このあたり、過保護な親が多くなっている今、無意識にモンスターペアレント化しないように気を付けなければなりませんね。
やられたらやり返す!?昔ながらのケンカの教えはもう通用しない
子どものケンカと言ったら、昔からよく聞くのは「やられたらやり返す」というような半沢直樹のような教え。
確かに、子どもは友達とぶつかり合いながらたくましく成長するという面はありますよね。
ですが、話を言葉どおりそのまま受け止めてしまう子どもにとって、「やられたらやり返す」というようなケンカの教えはあまり適切ではないかもしれません。
友達をたたいてしまうことを悪いことだと理解させないと、今度は子どもが友達をたたいてしまうことにつながってしまいます。
「〇〇はもう小学生だよね。小学生なら言葉で“嫌だ”とか“やめて”とか言えるよね。」
というように、やり返す以外の方法をきちんと教えたほうがいいでしょうね。
以上をまとめると・・・
子ども同士のトラブルは一緒にいる以上、当然と言えば当然のこと。
大人だって人間関係のトラブルは常につきまとうものですからね。
- まずは子どもに共感して気持ちを受け止めてあげる
- それから場合によっては担任の先生に相談する
- やり返す以外の方法を子どもにしっかりと教える
些細なケンカであれば親が出る幕はありませんが、それがイジメにつながって最後には自殺・・・という最悪の事態に陥ってしまうのも現実問題としてあります。
それゆえに親は必要以上に過干渉になり、過保護になってしまうのですが。
普段から子どもの様子をよく観察して、些細なことでもすぐに相談してもらえるような信頼関係を築いておくことが大事ですね。
子どものケンカに親が出るとどうなるかが分かる映画
最後に、「子どものケンカに親が出てしまって、とんでもなくひどいことになってしまった」という題材を扱った、面白おかしく滑稽な映画をご紹介します。
その名も『おとなのけんか』。
キャッチコピーは「顔で笑って、心に殺意。」という、なんとも物騒なもの(笑)
以下、『おとなのけんか』公式サイトからの作品情報になります。
子供のけんかに親が出て・・・
冷静に解決するはずが、本性むき出しのすさまじい舌戦へ発展、やがて最後には・・・ニューヨーク、ブルックリン。11歳の子供同士の喧嘩の後、話し合いのため集まった2組の夫婦、リベラルな知識層であるロングストリート夫妻(ジョン・C・ライリー/ジョディ・フォスター)と弁護士と投資ブローカの裕福なカウワン夫妻(クリストフ・ヴァルツ/ケイト・ウィンスレット)。
冷静に平和的に始まったはずの話し合いは、次第に強烈なテンションで不協和音を響かせ、お互いのわだかまりや本性がむき出しになっていき、やがてはそれぞれの夫婦間の問題までもがあらわになっていく。原作は、パリ、ロンドン、NYのブロードウェイで大成功をおさめ、オリヴィエ賞やトニー賞などを受賞し演劇界で高い評価を受けたヤスミナ・レザの大ヒット舞台劇。二組の夫婦4人だけの室内劇で、リアルタイムの90分で進んでいく痛烈な会話劇に魅了され映画化を決めたのは、『戦場のピアニスト』でアカデミー監督賞を受賞し、最新作『ゴーストライター』での評価も高いロマン・ポランスキー。
映画化にあたっては出演者達に弾丸のような早口セリフを強いて、90分をより短縮、さらに濃厚でリアルなドラマに仕上げた。
映画『おとなのけんか』を観たとき、わたしもちょうど子どものケンカで悩んでいたときだったのですが、親同士の言い争いのあまりの滑稽さに、自分の悩みがちっぽけに思えて笑えてきたのを思い出します。
子どものケンカで何となく気持ちが不安定なときにこの映画を観ると、なぜかスカッと気分爽快になってしまうので、一見の価値ありだと思いますよ。
予告編だけでもかなり面白いです。
ちなみに、『おとなのけんか』はゲオ宅配レンタルで80円でレンタルできますよ~。
なんでも担任に言うのはどうかとおもう。
だいたいが担任が知らないところでやってるのに、いちいち電話かけてこられても対応に困る。気にしておきます程度のことならまだマシだけど、指導はしてほしくないだの、名前を出さずに指導してくれだの、勝手なことばかり、無理難題に発展するパターンばっかり。どうしろというのか分からない事案ばかり。
かんべんしてほしい。